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普段の生活から、ちょっと視点を変えてみると、時代とともに変化した私達の暮らしが見えてきます。今の暮らしを大切にしたいからこそ、視野を広げてみませんか?きっともっとキッチンが好きになれますよ。
今のベトナム農村の状況は昭和30年代の日本のようなかんじです。電気は来ていて、農村の各家庭に、テレビはあってもまだ冷蔵庫はちらりほらり。日本と違って暑い国だから、衛生面は本当に大変です。でも、実は、私の訪れたドンラム村のミヤ寺には冷蔵庫が1つ、密かにあったのです。置いてあったのは室内の奥まったところ、決してキッチンの近くなどではなかったため、気付かなかったのですが、やはり暑い国だからこそ、冷蔵庫は必需品とのこと。ああ、やっぱり。そうですよね。と苦笑い。日本から保冷箱まで持参したのに…というわけで。真夏のベトナムで、今さらながら、東京に住む快適な暮らしを見つめて帰ってきました。
日本に電気冷蔵庫が登場したのが、昭和30年代。その後冷蔵庫はどんどん進化を遂げ、冷蔵機能だけでなく冷凍機能も進化し、今やキッチンの主役的存在となったわけですが、改めて食卓から冷蔵庫というものを見つめ直すと、この40〜50年の間に料理の味付けが大きく変わったことに気づきます。薄味で素材を生かしたヘルシーな食事をいただけるようになったのは、どう考えても冷蔵庫のお陰だと思うのです。家庭だけではありません。流通の部分でも冷蔵・冷凍技術の進歩によって、生産地から新鮮な食材が都市部に住む私達に届けられ、決められた時間にのみ買い物をしなければならないということもなく、便利さも与えてくれました。
こうした便利な暮らしを送っているからこそ、私はリビングヘリティジ(世界遺産)へ訪れたいと思うのです。そこには、プリミティブであっても生活の知恵や、くらしのエッセンス、インスピレーションがいっぱい詰まっているからです。



(写真上)一面に広がる水田。(写真中)ミヤ寺の中門。(写真下)文化遺産の保存修復作業のすぐ近くでは炊き出しが行われている。