ecoスタイル

小十料理人 奥田透

ミシュラン三ツ星料理人が伝える「郷土の食材」

おいしくて、舌はもちろん心も身体も喜ばせる食を作るのは、
素晴らしい「腕」と豊かな自然に育まれた地の実り、川海の恵みです。
そして誰しも味の原点は、幼い頃から親しんだ郷土の食材にあるのではないでしょうか。
郷土の味に触れれば懐かしさと共に故郷への思いがよみがえります。
「食」はもっとも身近な自然の息吹。
その豊かな力を生かしたレシピを日本料理の名店『小十』の奥田透さんに作っていただきました。
もちろん奥田さんの愛する郷里・静岡の食材をふんだんに使って──。


小十のこだわり

舌と身体、心にもおいしい料理を

『小十(こじゅう)』の料理は、素材の持つ風味が生かされ、力強さに溢れています。
味も見た目も、印象はくっきり鮮やか。
「こだわっていることといえば、とにかく季節感を大切にしていること、それから生命力の強い、旨みに溢れた素材を使っていることでしょうか」と主人の奥田さん。
現代の生活で失われている季節感を、食べることで取り戻し、おいしいと同時に元気になれる料理を提供したいというのが、奥田さんの願いです。 「おいしさと過ごした時間の楽しさを人にも伝えたい、今度は家族や友と共有したい……、お客様が自然にそんな気持ちになる料理であり、店でありたいと思っています」。

photo:平貝春菜尽くし

photo:焼き物盛り合わせ

春の献立から…平貝春菜尽くし(写真上)、焼き物盛り合わせ(サワラと筍の木の芽焼き/黒毛和牛の炭火焼き・写真下)。


奥田流ECOスタイル

生命力溢れる食材は、豊かな自然あってこそ

料理人の立場から、奥田さんは「エコ」をどうとらえていらっしゃるのでしょうか? 訊ねると開口一番、「素材が命の日本料理を作る者にとって、エコは身近な問題です」。料理は味覚を楽しませるものであると同時に、身体の中でエネルギーを生み出してくれるもの。野菜でも魚でも、食材はその食材のもつエネルギーが強いほどおいしく感じます。そして、エネルギーの強い食材が育つには、何より自然環境が大切です。
生き物が眠りから目覚める春には、内臓の働きを高める苦みやえぐみのある植物が芽吹き、夏には身体の熱を鎮める作用がある瓜がおいしくなり、秋の豊かな実りを蓄えると冬が来ます。「自然のサイクルは本当によくできていて、まさに天の配剤です」と奥田さん。そのサイクルに従って四季折々のエネルギーの高い素材を食べることが、舌にも身体にもいちばんおいしい。奥田さんが作り出す美味の数々も、日本の豊かな自然あってのものなのです。

photo:食材

写真協力(筍):アマナイメージズ


photo:店舗

日航ホテルの裏手にある店は、ひっそりとした佇まい。
カウンター6席、テーブル席(個室)最大14名までという小さな規模で、料理にも接客にも隅々にまで目配りが行き届きます。
店名の「小十」は、奥田さんが敬愛する唐津の陶芸作家、西岡小十氏からいただいたもの。
料理にも小十氏をはじめ、現代作家の素晴らしい器が使われています。

銀座小十
東京都中央区銀座8-5-25 第2三有ビル1F
TEL:03-6215-9544
営業時間
  • 月〜金:17:30〜02:00
  • 土:17:30〜22:00 定休日:日・祝

photo:店内


献立→次へ(真空圧力炊きでつくる 桜エビとささがきゴボウの炊き込みごはん)

ミシュラン三ツ星料理人が伝える「郷土の食材」前編
真空圧力炊きでつくる桜エビとささがきゴボウの炊き込みごはん
ミシュラン三ツ星料理人が伝える「郷土の食材」後編
黒毛和牛のスライスと筍のすき焼き

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