前回に引き続き、日本料理業界一、若手教育へのこだわり屋。という自負のある齋藤料理長にお話しを伺いました。シンガポールで開かれたワールドグルメサミットで日本の包丁式をご披露した経験もあり、ほとばしる話はとにかく熱い。そんな料理長が腕を振う日本料理「風花」。どんなお話が伺えるのか楽しみです。
「一言で言えば常に料理人であることを忘れないこと!」と、力強い言葉が返ってきました。「日頃から、味付けの極端なものはあまり好みません。作り手がしっかり作っている料理を食べるようにしています。作り手が愛情もって作っているものはやはりおいしいし、安心できますから。」季節のものや素材の味が分かる薄味のものを食べるようにしているのも、ご自分の味覚が濃い味や刺激に慣れて、鈍感になるのを恐れてのことだそうです。「でも、一番気をつけているのはやはり健康面です。風邪をひけば味がわからなくなるので、体調を崩さないよう十分気をつけています。それから、僕自身、お客さまの立場で食事をするようにしています。味だけでなく、サービスを味わうことも大切です。」と日々の生活が料理人として生きるということを実感させられるお言葉です。
「自分に合うものが結果としていいものだと思います。というのもこだわって選んだものは長く使えます。洋服でいえば自分に合ったものをこだわって選べば5年は着られるでしょう。これが僕の考える無駄のない生活」。そして滅多に見られないであろう立派な包丁を取り出し言葉を続けられます。「道具も結果としてそうですね。包丁は重さを計って、柄をふって自分の手の代わりとなるに相応しいものを一つずつ買っています。それぞれ包丁には用途があるので料理に合わせて買い足すうちに、数も増えましたね。今は40本以上あるのではないでしょうか。」
「僕でもふと、なんで料理人になったんだろうと思うことがあります。そういう時に思い出す言葉が『初心忘るべからず』。料理人として生活しようと決めた時のことを思い出せるよう、包丁にも『初心』と彫ってもらっています。料理人にとって包丁はなくてはならないものですから。」と素敵な言葉を胸に、まだまだやりたいことはたくさんありますとおっしゃっていた齋藤料理長でした。
天上高8mの開放感あるモダンなインテリアと器、トラデイショナルな料理が洗練されるとこうなるのか!という印象の「風花」。料理人さん達のとても丁寧な仕事ぶりとやわらかなサービスはいつも期待通りです。湾岸の夜景を見ながらいただく鉄板焼エリアも充実。ワインとの組み合わせが楽しみです。また、真っ白なカウンターでいただく、赤酢を使ったさっぱりしたお鮨も見事なおいしさ。個室は開放感のある窓際の約10名の畳個室と、隠れ家的な雰囲気の約6名の個室。8名入れるモダンなテーブル個室など、それぞれ雰囲気と趣きの異なる3つの個室がシチュエーションに合わせて選べるのも楽しみです。 齋藤料理長の“いいものを長く”という精神はものだけではなく、料理にも生活にもつながっている印象を受けました。
取材:2007年6月


