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毎日使うキッチン。だからこそ普段気づかないこともたくさんあります。一度視点を変えて外から見ると、今まで見えなかったキッチンとのつき合いが見えてきます。
ベトナムの朝は早い。6時ぐらいになると市場は大変なにぎわいです。
とれたての野菜にとれたての魚、それにお肉達がずらりと並びます。ベトナム北部ハノイから車で1時間半ほどの所に位置するドンラム村では、文化財の保存修復プロジェクトが行われています。その一環としてミア寺で精進料理の昼食会を開いたときもそうでした。
皆朝5時にお寺に集まり、市場から届いた食材を手分けして料理にかかります。支度をしている間にもどんどん気温は上がり、料理が出来上がるお昼前には軽く30度を超え、当然、ちょっと気を許すと料理は傷んできます。従って、作ったらすぐ食べるのが、ベトナムでは原則。試食会がお昼ならそれに合わせて朝が早くなります。
実は、そんなことも知らず、初日に日本の精進料理を紹介するワークショップ(料理講習会)を開きました。もちろんキッチンは屋外。キッチン設営から始まり料理が出来上がる頃には、人間も干上がるのではないかという炎天下。それでも私の手元を覗き込むベトナムの方々の熱心な視線に応えるべく大奮闘。日本のキッチンで作るのとは訳が違い、気温は容赦なく上がっていきます。
見ているベトナムの方々も大変だったと思いますが、作る私達にとっても慣れない仮設キッチンでの初めてのワークショップ。準備万端で日本を出発したものの、気温まではいかんともしがたく、日本から持ち込んだ簡易の発砲スチロールの保冷庫だけが頼りという有り様で、入れておいた氷はどんどん溶けていきヒヤヒヤしましたが、それでも暑いさなかに出来上がった寒天寄せは見事に冷たく固まり、皆を喜ばせてくれました。が、ふと思ったのは、この氷はどこから来たのか‥?
(つづく)



*暑かったけれど、光のきらめきが最高だった屋外キッチン。日よけは植物。近くには今も活用されている井戸がある。そしてベトナムでご紹介した日本の精進料理。