
南仏プロヴァンスの暮らしはかなり良いらしいのです。何が良いのかと言えば、まず陽光の降り注ぐブドウやオリーブの豊かな大地。ゴッホの描いた光のきらめく世界観。この映画の舞台となったプロヴァンスの中央、リュベロン山のふもとの村もそんな美しい村。そして何より素敵なのは自然と寄り添う暮らしでしょう。叔父ヘンリーと共にワインを造ってきたデュロフ家での食事シーンは、きのこやトマト、なす、イノシシ‥。地元の特産とワインで飾られたテーブルには食の喜びが満ちています。
「人生の素朴な喜びをマックスは知らない」と言い残したヘンリーの言葉を具現化するような手作りの素朴な食卓。もちろん「コワン・ぺルデュ」の秘密も見え隠れし、フランスのワインならではの夢のストーリーも。そして、あちこちに潜む思い出の鍵を次々と開け、シンクロする子供時代の思い出に浸りながら叔父さんの残してくれた人生の宝物をたどる旅の結末は‥、この村一の美女との恋につながっていくのです。さて、誰もが悩む人生の選択、人生はお金か、素朴な喜びか。どう選ぶかはお楽しみに。ヘンリー叔父さんが実に様々なことを語ってくれます。
フランス山間部のメイン料理の定番と言えば、イノシシやウサギ、鶏などをたっぷりの赤ワインで煮込み、仕上げに血を加えてとろりとさせたもの。内臓を一緒に煮込む時もあれば、後から加えて濃度を出すところもあります。今回はご家庭でも作りやすいように、豚肉とレバーを用いて野趣あふれる味に。レバーの苦手な方は少なめにし、クローブやこしょうなどのスパイスをしっかりきかせると良いと思います。でも、ワインはたっぷりとお使いください。


ロンドンで多忙を極める金融マンが叔父の遺産相続をきっかけに、幼少期を過ごした南仏プロヴァンスを訪れたことから始まるラッセル・クロウ主演のロマンチックなラブ・ストーリー。南仏の美しい景色、極上の料理やワインなど、物語の行方の他にも見逃せないポイントが次々に登場する一作。