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海外のお菓子コンクールにも出品し、世界を舞台に活躍する辻口さん。「また食べたい!」と誰をも魅了する秘訣はいったいどんなところにあるのでしょう? スイーツのイメージ、コンセプトを作る『コツ』もたっぷりうかがいました。
コンクールに出品したり新しいお店を出すとき、辻口さんはまず、『誰もやっていないこと』を前提に、出品作品やお店のコンセプトを考えるそうです。 「コンセプト作りは、すごく楽しい作業です。 けれども、自分がどうしたいかより、まずお菓子に対する『期待』を的確に捉えることが先決。 例えば、コンクールを例にとってみましょう。過去のレシピがどう評価されたかに焦点をあてて、その上で、審査員の『期待』に思いをはせるのです」。
辻口さんは10年前、フランスで開かれたコンクールで、海外ではそれほど知られていなかった柚子を使って、 その美味しさに驚いたフランスの審査員たちから絶賛されたそうです。 「評判、ホントよかったです(笑)。もちろんこれは、コンクールに臨む前に審査員が何を求めているのかを、 過去の受賞作品にさかのぼって調べ、コンクールのあらゆる情報を徹底的にリサーチした上で、柚子を選んだんです」。
数々のコンクールで輝かしい成績を修めてきた辻口さん。 「そう、これは世界大会に勝つ秘訣なのかもしれません(笑)。 リサーチした上で照準が決まったら、今度はそこに自らの意識を重ねていきます。その努力、これもまたお菓子作りの楽しい作業なのです」。 リサーチで得た新しい発想をただ形にするのではなく、お菓子の一つ一つに入念な作り手の思いが潜んでいるのですね。
「お菓子作りに大切なのは、『なぜ?』を理論立てていくこと」。 そう語る辻口さんは、このお菓子の評判がなぜいいのか。 コンクールならなぜ審査員はこのお菓子を評価したのか。 あらゆる想像を巡らしながら、また一つまた一つと、お菓子を仕上げていくそうです。 「こうやってできていったお菓子は、自分の美意識の集大成ともいえるんですよね」。